生前に相続放棄はできない!考えられる代替策とは?

生前に相続放棄を希望する方がいる場合、どうすれば良いのでしょうか?実は、法律上、生前に相続放棄をすることはできません。たとえ「相続しません」との書面を作成しても、それには法的効力がありません。本記事では、生前に相続放棄を求める場合の対応策を解説します。相続トラブルを未然に防ぎたい方は、ぜひご覧ください。

目次

1. 生前の相続放棄はできない

相続放棄は、被相続人が生存している間には行えません。「相続しません」との書面をもらっても、法的な効力はありません。そのため、相続人が後に相続権を主張した場合、これを阻止することはできません。

では、生前に相続放棄を求めたい場合、どのような方法が考えられるのでしょうか?

2. 生前に相続放棄を求める場合の対処法

2-1. 遺言書を作成するだけでは不十分

特定の人に相続させたくない場合、遺言書を作成するだけでは不十分です。たとえば、遺産を特定の相続人に相続させたい場合でも、他の相続人には遺留分が存在し、これを無効にすることはできません。

2-2. 遺言書の作成に加え、遺留分の放棄を依頼する

遺言書に加えて、生前に相続人から遺留分の放棄を求めることが考えられます。この放棄には家庭裁判所の許可が必要です。ただし、これは相続権の放棄ではないため、遺言書の作成も必要です。

2-3. 推定相続人の廃除を申し立てる

家庭裁判所に推定相続人の廃除を申し立てる方法もありますが、これは被相続人に対する重大な侮辱や虐待があった場合に限られ、慎重に判断されるため認められることは稀です。

2-4. 生前贈与を行う

遺産を特定の相続人以外に生前贈与することも可能ですが、遺留分には注意が必要です。遺留分の計算には生前贈与も含まれる可能性があります。

2-5. 相続欠格について

相続欠格とは、特定の欠格事由に該当する場合に相続権を自動的に失う制度です。例えば、被相続人や他の相続人を故意に殺害した場合などが該当します。

3. 親の負債を相続したくない場合の対応

親の借金を相続したくない場合、親の死亡後に相続放棄を行うしかありません。生前から債務整理を進めることも一つの方法です。

4. 死後に相続放棄を行う方法

4-1. 相続放棄の手続き

相続放棄は被相続人の死亡後に行います。家庭裁判所に申述書を提出する必要があります。

4-2. 相続放棄の期限

相続放棄は、被相続人の死亡を知った日から3カ月以内に行わなければなりません。期間の延長も可能ですが、弁護士に相談することをおすすめします。

5. まとめ

生前に相続放棄はできませんが、代替策として遺言書の作成や遺留分の放棄などが考えられます。具体的な方法はケースによって異なるため、弁護士への相談をおすすめします。

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この記事を書いた人

弁護士法人琉球スフィア代表弁護士(第二東京弁護士会登録番号:第29685号)。起業家。沖縄県最大規模の法律事務所を経営。不動産関連会社複数経営。法律とビジネスの両面で幅広い専門性を発揮。不動産関連会社を複数経営し、実業家としての視点も活かしながら、法律実務に携わっている。顧問先企業は沖縄県内外で190社以上と、他を圧倒する規模。沖縄県内では初めて「相続特化サイト」と「不動産特化サイト」を開設。地域に根ざした先進的な取り組みにより、多くのクライアントに選ばれる法律事務所としての地位を確立。日本テレビ「行列のできる法律相談所」に出演経験あり。

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